60歳からの生き方

多湖 輝 著

 
 

人生設計

 日本人の大多数は仕事に追われて、定年後の人生設計をしっかりと打ち立てていません。
その結果、60歳からの人生をどう過ごせばいいか、わからないまま老け込んでしまいます。
旺盛な好奇心を持って生きていき、どんな事でもいいから人よりも一歩抜きんでていると自信を持てるものをもち、自分が主役になれる場所をつくることが、大切であります。
 定年は人生のゴールではなく、スタートであり、その為 定年前から準備をし、定年後との落差を少なくする必要があるでしょう。

肩書き抜きの魅力

 定年になると地位や肩書きがなくなります。
ただの人となった時、人はどれだけ人間的魅力を持ち合わせているかが重要になります。
個人的魅力で他人とつき合わねばならず、それまでに自分を磨いておく事が必要です。

老化防止

 長生きする限り老化から逃れられません。
老衰とという終着駅は同じでも、当人の意志と努力によって、異なった道を歩む事になります。
老化防止のひとつの方法として、指先を使う事もいいでしょう。
例えば、パソコン、奇術、ピアノ、絵画等、中高年からのボケ防止に結構良いと考えられます。

新しい友人をつくる。

 年を重ねるに従い 新しい友人をつくる事が、段々と困難になってきます。
そのためには、パック旅行やパーティ、交流会と、否応なしに人と話さねばならない所へ顔を出す事です。新しい知人を作り、新しいネットワークをつくる事で、生きがいが目覚めます。

生涯の友

 今までの人脈も大事ですが、生涯続くのは、やはり家族ぐるみの付き合いから生まれます。
伴侶を失っても、以後も付き合いが続きます。
仕事がらみ、会社がらみは退職、引退すると其れまで、という場合が多いですが、家族ぐるみの場合は、気楽な調子で定年後もお互い楽しい人生を与え合えます。

夫婦は人生最高のパートナー

 わが国の男性は仕事一筋の人が多く、家庭をおろそかにしている事が殆どです。
いざ定年を迎えて見ると、妻についていけなくて困惑する人が多く見られます。
このようなことが無いように、常日頃、妻と会話をし共通の趣味を持つように、早めから努力しておく事です。

定年後の近所づきあい

 世のサラリーマンは現役時代から、地域との結びつきが弱く、疎遠な関係にあります。
ひどい場合は隣の亭主の顔も知らない場合もあり、定年後の自分を暖かく迎えてくれる人間関係を早くからつくっておく必要があります。
其のためには、地域の会合や町内会などに、こまめに顔を出しておく事が大切です。

生涯青春時代

 自分は「若い」と思い込むことで、若さを保てるのであり、もう60歳と思うのと、まだ60歳と思うのとでは大きな差が出てきます。
要は、自分を若いと思えるか思えないかで、人は外見も当然大きく変わってきます。

スタートとゴール

 定年をスタートとするか、ゴールとするかによって、以後の人生が大きく変わってきます。
高齢になっても仕事、趣味に没頭し、人生を豊かにしている人をよく見かけます。
50の手習いというが、明日の自分を今日の自分より高めたいと思う積極的な人は、新しい希望、新しい生き甲斐が生まれてきます。  

趣味

 自分の趣味を持つことが大切です。
趣味をきっかけとして、自然と他人と交わることが多くなり、現役としての「場」を持つことになります。
趣味は、自分にとって積極的に振舞える「場」、つまり「土俵」であり、自分を土俵に上げることになるのです。

オシャレ

 ネクタイやワイシャツを自分で買い、自分をより若く見せようと思う心が、若さを保ち積極的な自分を作り出す事になる。

チャレンジ精神

 子供の頃は、誰でもチャレンジ精神が旺盛であったが、年とともに失せてきている。
年をとってもクリエイティブな精神を持つことによって、新しい可能性が生まれ、生き生きとしてくるのでは無かろうか。
やって見たいと思うことがあれば、ともかくやってみる事です。
そうすれば、次から次へと見えてくるかも知れません。

マンネリを撃退
―新しいことをやってみよう。

 新しい店に入る。はじめての理髪店に入る。 
昼の食事のメニューを替えてみる。
若者の街に行ってみる。新商品を買ってみる。
ハイテク商品を買う。
兎に角、新しいことに挑戦してみる事です。
暫くはなじめないかもしれませんが、時間をかければ、其のうち慣れてきます。
自分から進んで行動をしてみる事です。

思考力の低下を防ぐ

 あまり規則正しい生活を続けると、脳が違和感や変化に対応しなくなり、老化を招く事になりかねません。
例えば 音楽会へ行くとか映画を見るとか、ジョギングするとか、意図的に生活のリズムに変化をもたらした方がいいと思われます。

妻離れ 子離れ
―自分の人生は自分で切り開こう。

 妻からも子供からも自立する時期であり、能動的な精神を持つことである。
「昔ならこうじゃなかった」「今の若いもんは・・・」などと愚痴らず、諦めず積極的に生きて行こうではありませんか。

 
     

motomu60@tf6.so-net.ne.jp Motomu Furugaito

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