続 大阪学

前垣 和義 著(抜粋)

 
  阪人は権力を嫌う。
武士に対する商人魂である。 
巨人に対する阪神である。単に伝統の一戦だけでは無いのである。
家康に対する秀吉である。
とにかく、プロ野球の象徴と思い君臨しているジャイアンツが鼻持ちならない思い。
ヤクルトでは、ダメなのだ。
権力に対抗する思いで、強い巨人に向かっていく阪神をファンが応援するが今年もクーデターの失敗であった。

じまい」の看板が目に付く。
地方から出てきた人は、「しめた」安く買えるとよろこんで買って帰るが、この次の時にも同じ看板が出ている。
大阪人の商魂である。
これは「マルシン」の社長が考え出した商法だ。
「やられた」とおもうが 怒る気がしない。
すばらしい商魂を見る思いだ。

阪では「テンプラ」は油で揚げた練り物、ごぼうてん、平てん、しょうが天、などをいう。
「てんぷら」はエビや魚、野菜、などに小麦粉のころもをつけて、油で揚げ、大根おろしで食べる。
東京人は、大阪に「てんぷら」の二種類あることを知らない。

阪にどうして昆布屋が多いのか。 
それは 江戸時代の海運事情による。
西回り航路と東回り航路があり、大阪は西回り航路であった。
下関を通り木津川に着いた。
塩昆布、とろろ昆布、おぼろ昆布、酢昆布、など北海道から運ばれたこんぶで、色々と加工されたのである。

屋」と「酢屋」
東京では、鮨屋、すし屋、寿司屋、寿し屋はあっても酢屋はない。
大阪では、酢しの方がはるかに多い。
名古屋に少しだけ酢屋がある。
いかに説明するか?

ビス・ジーンズという言葉が流行った。
これは、アメリカ村の若者からはやったジーンズで戎さんからきている。 
[EVIS] と綴りLEVIS―リーバイス― のL をとっている。
大阪人特有のパロデイか。

子園の名の由来
  1 六甲の甲と、完成した年の干支が(子)ね であったことから重ねあわせた。
  2 完成した年が、(甲子)ひのえねの年である。
この両説がある。あなたなら、どちらを採る。

阪と東京での、「考える」「考えときまっさ」
 東京で考えるは「検討する」であり、大阪では、「断る」ことである。
180度意味合いが違うので、ビジネスでの戸惑いを作ることがある。

阪造幣局の通り抜け 
 明治4年、大阪造幣局が開設された時、『鈴鹿屋敷」と呼ばれたこの辺に、屋敷内にあった里桜が移植され、通り抜けの母体となった。
はじめは造幣局の職員の鑑賞用であったが、明治16年一般市民に開放され、通り抜けとなった。
現在は500本程あり、毎年品種を1本ずつ増やしている。
開催は四月の中ごろから1週間。

ックとマクド
 マクドナルドは東京ではマックと呼ぶ。大阪ではマクドという。
正確にはマックドナルドであるから、マックが正しい。
ミスタードーナツは東京ではミスターといい大阪はミスドという。
モスバーガーは 大阪ではモスまたは、モスバという。
東京の若者はこれをダサイと笑う。

 
     

motomu60@tf6.so-net.ne.jp Motomu Furugaito

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